ABEJAのLLM開発事業、NEDOから採択
ABEJAは、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、その提案したLLM（Large Language Model）開発事業が採択されたことを発表しました。このプロジェクトは、日本語LLMおよび周辺技術の研究開発を通じて、LLMの社会実装を目指すものです。ABEJAは、7億円規模の助成金を受け取り、LLMの精度と計算コストパフォーマンスの向上を図ります。
NEDOとは
NEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構、英: New Energy and Industrial Technology Development Organization）は、日本の産業技術の研究開発を支援し、新エネルギーやエネルギーの省エネルギー技術の開発を推進することを目的とした独立行政法人です。1978年に設立され、経済産業省の外郭団体として機能しています。
NEDOの主な役割は、新エネルギー源の開発（太陽光発電、風力発電、バイオマスなど）や、次世代を見据えた産業技術の革新（ロボティクス、人工知能、IoTなど）の推進にあります。こうした技術の研究開発を通じて、日本のエネルギー安全保障の強化や経済成長の促進、そして環境問題への対応を目指しています。
具体的には、NEDOは研究開発プロジェクトの資金提供、技術評価や情報提供のサービスを提供し、民間企業、大学、公的研究機関との協力によるプロジェクトを実施しています。これにより、先端技術の実用化とその普及を加速させることを目指しています。
ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業
「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」は、日本の通信技術および情報通信分野における研究開発プロジェクトの一環で、次世代通信技術である「ポスト5G」に関連した基盤技術の研究と開発を推進するための取り組みです。
LLM開発の目的と期待
ABEJAは、LLMの社会実装に必要な技術革新を推進し、次世代の研究者や技術者の育成に貢献することを目指しています。具体的には、日本語LLMの開発と、RAG（Retrieval-Augmented Generation）やAgentといった周辺技術の研究に注力します。これらの技術は、LLMが外部データを活用して高精度な回答を生成することを可能にし、自律的な意思決定やアクションの計画・実行を実現します。
参考記事：生成AIのハルシネーション問題と「RAG」技術の解決策
社会実装への道
ABEJAは、開発したLLMおよびそのソースコードや開発ノウハウを公開し、LLMの利活用とAI技術革新の加速を促します。また、デジタル版EMS「ABEJA Platform」に搭載される「ABEJA LLM Series」と合わせて、広範囲に提供を行う予定です。ビジネスモデルとしては、オープンソースソフトウェアに基づくディストリビューションモデルを想定し、必要なサポートを有償で提供します。
EMSとは
EMS（Electronics Manufacturing Service）は、電子製品の製造に関する専門的なサービスを提供する企業またはプロバイダーのことを指します。EMSプロバイダーは、さまざまな電子製品の設計、生産、組み立て、テスト、品質管理、供給チェーン管理など、製造に関連する多くのプロセスをクライアント企業に対して提供します。
EMSプロバイダーは、製品を受け取り、顧客の要求に従って設計から生産、テスト、配送までのすべての段階を一貫して管理することができます。これにより、顧客企業は自社で製造ラインを持つ必要なく、リソースと時間を節約することができます。
課題と展望
LLMの社会実装には、大規模な計算リソースの消費や、最新情報への対応不足、不正確な情報生成といった課題が存在します。ABEJAは、これらの課題をRAG技術やAgentの最適化によって解決し、LLMの精度向上と計算コストパフォーマンスの向上を目指します。また、ABEJAは、日本が国際的なAI分野で重要な役割を担い、新たな情報処理技術のスタンダードを確立することを視野に入れています。
まとめとCGPTのコメント
ABEJAのLLM開発事業のNEDOからの採択は、日本におけるAI技術の進展と社会実装への大きな一歩を象徴しています。LLMとその周辺技術の研究開発は、AIの利活用を促進し、社会全体の技術革新を加速させることが期待されます。ABEJAの取り組みは、AIと人間の協調を通じて「ゆたかな世界を実装する」ビジョンの実現に向けた重要なステップであり、今後の展開に大きな注目が集まります。
参照元：ABEJA、NEDOが公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業／ポスト5G情報通信システムの開発」に、LLM開発事業案が採択
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