教育機関向けプライベートGPTの導入とそのメリット

特定非営利活動法人ニュークリエイター・オルグが、情報セキュリティを考慮した教育機関向けプライベートGPTの提供を聖パウロ学園高等学校で開始したことは、教育分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の新たなマイルストーンです。この施策は、教育現場におけるAI技術の安全かつ効果的な活用を目指しています。

特定非営利活動法人ニュークリエイター・オルグとは

特定非営利活動法人ニュークリエイター・オルグは、2019年1月に設立された、次世代の学びをオープンに制作・提供する組織です。このNPO法人は、全国の子どもたちにSTEAM教育を格差なく届けることをビジョンとして掲げています。STEAM教育には、科学（Science）、技術（Technology）、工学（Engineering）、芸術（Arts）、数学（Mathematics）の5分野が含まれ、これらの教育を通じて21世紀に必要なスキルを子どもたちに提供することを目指しています。

活動内容

• プログラミング体験ワークショップの開催：企業や行政と協力して、全国各地でプログラミング教育を提供しています。これには、自社主催のワークショップや講師の派遣などが含まれます。
• 教材提供：子ども向けには、教育用マイコンボード「micro:bit」と自社で制作したテキスト教材を配布するプロジェクトを実施。法人向けには、micro:bitを使用したマンツーマンオンラインレッスンや共同イベントの企画・運営を行っています。
• オンラインプログラミング教室：小学生・中学生向けに、他社のプランよりもリーズナブルな価格で1対1のオンライン授業を提供しています。
• 学校へのカリキュラム・授業導入：「newCreator School +」という名称で、プログラミング教育支援としてカリキュラムや教職員向けのマニュアルなどを提供しています。

ビジョンと使命

ニュークリエイター・オルグは、都市部と地方部でのSTEAM教育の格差をなくすことに注力しています。文部科学省の調査によると、地方部ではプログラミング・STEAMに関する教育が遅れていることが明らかになっています。この組織は、オンライン及び全国各地でのイベント実施を通じて、全国の子どもたちがSTEAMに親しみ、利活用できるようにすることを目的としています。

法人情報

• 設立: 2016年より活動開始、2019年1月法人化
• 事業内容: STEAM教育事業及び啓発事業、次世代人材の育成に関する情報提供事業
• 所在地: 大阪府豊中市桜の町 3-7-7（兵庫事業所: 兵庫県揖保郡太子町東南 235-1）

ニュークリエイター・オルグは、教育の内容を最新の情報に合わせて提供し、すべての子どもたちが楽しく学習に取り組める社会を目指しています。この組織は、地域の方々、行政・企業と協力し、より良い「まなび」を作っていくことに尽力しています。

プライベートGPTとは何か？

プライベートGPTは、公共のChatGPTサービスとは異なり、特定の組織や機関専用に設計された生成AIです。このシステムは、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceを基盤として構築され、教育機関が直面する情報セキュリティの課題に対応しています。プライベートGPTの導入により、教育機関は個人情報の保護、データの安全性、そして不適切な利用の防止を確実にすることができます。

教育機関におけるプライベートGPTの必要性

教育機関では、生徒や教員のプライバシー保護が最優先事項です。従来の公共のChatGPTサービスを利用する際には、入力されたデータが外部に漏れるリスクが常に存在しました。プライベートGPTは、このようなリスクを排除し、教育機関内でのみデータを処理する専用の環境を提供します。これにより、教育機関は生成AIを安心して利用できるようになります。

プライベートGPTの特長

専用の安全な環境

Azure OpenAI Serviceを活用することで、プライベートGPTは教育機関専用の安全な環境を提供します。これにより、外部にデータが漏れることなく、機密情報の保護が可能になります。

ドメインとIPアドレス制限

教育機関は、独自のドメイン設定とIPアドレス制限を通じて、さらにセキュリティを強化できます。これにより、学内からのみのアクセスや特定のユーザーに限定した利用が可能となります。

使用量ベースの契約

プライベートGPTは、使用量に基づく契約が可能であり、教育機関は予算管理を容易に行うことができます。これにより、予算を超過することなく、必要なサービスを利用することが可能です。

教育現場でのプライベートGPTの活用

聖パウロ学園高等学校では、プライベートGPTの導入により、教員と生徒が共に生成AIを理解し、活用することが可能になりました。教員向けの研修を通じて、生成AIの利用方法を学び、生徒たちには新しいテクノロジーに触れる機会が提供されています。これにより、生徒たちは21世紀に必要なスキルを身につけることができます。

まとめ

ニュークリエイター・オルグによるプライベートGPTの提供は、教育機関における情報セキュリティの課題を解決し、教育の質を向上させる重要な一歩です。この取り組みは、教育分野におけるAI技術の安全かつ効果的な活用のモデルケースとなり得ます。今後も、教育機関はこのような技術を積極的に取り入れ、生徒たちに最新の学習機会を提供していくことが期待されます。

参照元: ニュークリエイター・オルグ、情報セキュリティに対応した教育機関向けプライベートGPTを聖パウロ学園高等学校に提供開始