ルネサスの車載AIソフトウェア開発環境「AI Workbench」のリリース

車載AIソフトウェア開発の新時代

ルネサス エレクトロニクスは、車載AIソフトウェアをクラウドで迅速に開発、評価できる開発環境「AI Workbench」をリリースしました。この環境は、ユーザーがパソコンに開発ツールをインストールしたり評価ボードを入手することなく、車載AIソフトウェアの開発を直ちに開始できるよう設計されています。

AI Workbenchの特徴

• クラウドベースの開発: Microsoft Azureの高性能コンピューティングリソースを活用し、クラウド上で車載ソフトウェアの開発を進めることができます。
• シフトレフト実現: チップやECUなどハードウェアの無い初期段階からソフトウェアの開発、評価が可能で、開発プロセスの「シフトレフト」を実現します。
• ADASや自動運転アプリケーション開発: 第5世代R-Car SoC向けのADASや自動運転をサポートするAIアプリケーション用ソフトウェアの開発にも対応しています。

AI Workbenchの機能ブロック

• AIコンパイラツールチェーン: 新しい「ハイブリッドコンパイラ（HyCo）」アーキテクチャにアップグレードされ、DSPやNPUなどのハードウェアアクセラレータ用コンパイラに対応します。
• AIモデルの性能検証環境: AIモデルがルネサスのSoC上でどのように動作するかを評価するオンラインテスト環境「NNPerf」を提供します。
• ソフトウェアの開発環境: Visual Studio Codeとルネサスの車載ソフトウェア開発キットがクラウド上で利用可能です。
• ソフトウェアの評価／検証環境: AIモデルを用いたアプリケーションソフトウェアのテスト、検証環境を提供します。

まとめとコメント

ルネサスの「AI Workbench」のリリースは、車載AIソフトウェア開発の効率化と革新を促進する重要な進展です。クラウドベースの開発環境により、開発者はハードウェアの制約から解放され、より迅速かつ柔軟にソフトウェアを開発・評価できるようになります。このような進歩は、自動運転やADASなどの先進的な車載技術の開発を加速し、自動車産業の未来を形作る重要な要素となるでしょう。

参照元: ルネサス、車載AIソフトウェアの開発・評価を加速するクラウドベースの開発環境「AI Workbench」をリリース